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見えない工夫

みなさまこんにちは、水処理チームのAです。
今回ご紹介する水処理チームのお仕事は、干潟水槽の釜場の改良です。
今までにないほど地味で目立たない内容ですが、けっこう大事な仕事です。

干潟水槽の釜場

ほとんどの展示水槽には、“釜場(かまば)”と呼ばれる構造があります。
この釜場とは、水槽の中の一番低い場所にあり、
釜場の中からは配管が水槽の外へと延びていて、
循環ポンプや濾過槽へとつながっています。
水槽の水は釜場から濾過槽へと抜けて、再び水槽に戻ってきます。

水槽が作られた当初は、釜場の蓋としてグレーチング
(プラスチックの格子)が付いていましたが、
干潟水槽には底砂として細かい砂がたくさん使われているため、
このままでは砂が釜場を抜けてポンプに吸いこまれてしまいます。
ポンプが砂を吸い込むと、ポンプの中が削れて壊れてしまうため、
改善する必要がありました。
そこで、砂が釜場を抜けないように、グレーチングの上に多孔板と
網戸の網で作った蓋を取り付けていました。

釜場に砂が入らないようにするために作った蓋

この蓋を取り付けることで、砂が吸い込まれることはなくなりましたが、
穴が少なすぎたため、水槽のゴミなどがすぐに詰まり、
頻繁に掃除しなければなりませんでした。

ゴミが降り積もった釜場の蓋

そこで、今回新たに、釜場の蓋を改良しました。
まずは古い蓋を取り除き、グレーチングに
プラスチックネット(網目3mm)を縫い付けます。
ネットを水槽の底の形に合わせてカットしたら、
網戸の網を同じサイズにカットします。
網戸の網は端がほつれやすいので、接着剤で切り取り線を固めてから
カットします。
後は、グレーチングに縫い付けたネットの上に網を敷いて、
浮き上がらないように石をのせて完成です。

グレーチングにプラスチックネットを縫い付ける
プラスチックネットを水槽の形に合わせてカット
新しい釜場の蓋の完成

新しい釜場の蓋は、以前の多孔板よりも水が通りやすいので、
ゴミや砂が多少積もっても、釜場が閉塞することが少なくなり、
清掃頻度を減らすことができました。
 
このように、水処理チームでは、見えないところに工夫することで、
より安全に、より効率よく、
飼育設備の維持管理ができるように取り組んでいます。


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