水処理チームの水槽清掃~屋外ペンギン水槽を綺麗に~
皆さま、こんばんは。
水処理・施設管理チームの”YA”と申します。
今回は水処理チームが行っている、またまた変わったお仕事を紹介します。
水族館の水槽は、室内の水槽であっても照明に照らされ、
藻類などで汚れます。
まして屋外の水槽にあっては太陽光に晒されて、
物凄い勢いで藻類が発生して汚れていきます。
普段であれば水槽の担当チームが上から擦ったり潜って擦ったりして、
一生懸命掃除をします。
しかし、どうしても掃除が追い付かなくなった時や、
擦っても取れない汚れが増えた時などに水処理チームが清掃を行います。
今回は、2階の屋外ペンギン水槽の清掃を紹介します。
水槽水に次亜塩素酸ナトリウムを混ぜることで、
水槽壁面の殺藻と水槽水の殺菌を目的とした清掃となります。
次亜塩素酸ナトリウムとは家庭で使っている○ッチンハイターの
濃度が濃い業務用と理解していただけければ解りやすいかなと思います。
結構汚れていますね!
こんな感じの汚れが水槽全体に広がっています。
ここまで汚れると擦ってもなかなか綺麗になりません。
まして擬岩は表面がデコボコしていて、汚れが奥にまで入っているので
いくら擦ってもスッキリしないのです。
先の見えない掃除っていやですよね?
そこで水処理チームの出番です。
先ずはペンギンが水槽に入れないようにします。
たいてい閉館後に行うことが多いです。
次に水槽の循環装置を停止します。
水槽の水を綺麗にするために濾過バクテリアは必要不可欠ですが、
循環装置を動かしたまま次亜塩素酸ナトリウムを入れると、
濾過槽のバクテリアも殺菌されて死滅してしまうからです。
準備が整ったら、次亜塩素酸ナトリウムを水槽に入れます。
(水槽水量に対して塩素濃度200ppm)
均等になる様にドボドボと入れます。
決して適当に入れている訳ではありません・・・
また入れる際には、跳ねて飛び散る可能性があるので
フルガードで行います。
そして水槽水を攪拌するためにエアーを入れます。
あとは綺麗になることを祈って一晩待ちます。
そして迎えた翌朝。
水槽壁面の殺藻と殺菌が行われて綺麗になりました。
いくら綺麗になっても、この状態では塩素濃度が高く、
ペンギンが水に入れないので、
今度は塩素を中和するための中和剤を入れます。
塩素の濃度が許容範囲内に収まっていれば、
循環を起動して作業は終了となります。
いかがでしたか?
夕方に見た水槽が、翌朝に綺麗になっていたら
こんな作業をしていたのかもしれませんね!
この綺麗になった水槽を見て、やり甲斐を感じ、
どや顔になってるYAでした。