パンダじゃなくてバンダだよ
どうも、魚類チームのKです。
2階オセアニアエリアでちょっと人気になっている生きもの
”バンダコウイカ”についてお話したいと思います!
パンダではなくてバンダです!
名前の由来は調べても出てこなかったのですが、
おそらく発見された場所か、生息している海域名からかと。
コウイカの仲間には、体の中に甲と呼ばれる
固い骨みたいなものが入っています。
数億年前、イカの祖先には貝殻があったのですが、
進化していくにつれて貝殻が退化し、体内に取り込まれて、
徐々に小さくなって現在のイカの形になったと言われています。
その進化の名残が体の中に残っているのです。
一般的なイカの甲はプラスチックみたいにぺらぺらで、
特に使われているわけでないらしいのですが、
コウイカの甲は、浮力調整に使っていると言われています。
当館では、バンダコウイカの卵を入手して、孵化させて、
ある程度大きくなるまでバックヤードで育てていました。
ある程度大きくなると、手からごはんを食べるくらい慣れてきます。
人の姿を見るとごはんが欲しくて寄ってきたりもします。
そんな小さくてかわいらしいバンダコウイカは、
去年の夏から展示し始めました。
イカゲームが流行っていましたし、
秋ぐらいからイカのゲームも流行りだすだろうな~と、
それらを見越しての展示です(笑)。
イカの飼育展示は、結構大変で
期間限定の展示になってしまうことが多いです。
難しい理由としては、イカの種類ごとにそれぞれ難点もあるのですが、
その中でも1番の理由としては共通して寿命が短いことがあげられます。
体長60㎝にもなる最大のコウイカであるコブシメで、長生きしても2年、
世界最大のイカ、ダイオウイカですら5年くらい、
研究者によっては2、3年くらいといわれているくらい短いんです。
みなさまがよく食べているスルメイカも寿命が1年くらいです。
バンダコウイカの場合は、調べても詳しい寿命が出てこなかったのですが、飼育してみると1年もないような・・・という感じですね。
卵から育てて、安心できる大きさになるまでは2~3カ月かかるので、実際に展示している期間は半年くらいの短さ・・・。
お客さまにも評判が良いし、できれば展示を続けたいということで、
長期的な展示を目指すため、
バンダコウイカの繁殖を目指すことにしました。
去年の秋ぐらいには展示水槽内で産卵はしました!
こちらがバンダコウイカの卵。ブドウのような形で、
この卵から赤ちゃんイカが生まれてきます。
この他にも卵をたくさん産んでくれたのですが、
なぜかすべて生まれてくれず、途中で腐ってだめになってしまいました…。
何故うまくいかなかったのか、卵に必要な栄養素が足りないとか、
まだイカが性成熟がしていないとか、色々と要因が考えられますが、
なんとか試行錯誤して、来年こそはうみの杜生まれのバンダコウイカイカをお見せできればと思いますので、応援よろしくお願いします!