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【ダンゴウオ担当の奮闘】壁というのは、越えられる可能性がある人にしかやってこない。だから、壁があるときはチャンスだと思っている。

みなさまこんにちは。
魚類チームのNです。

多種多様な生きものを飼育できることにとてもやりがいを感じていますが、
さまざまな生きものの繁殖に関わることも飼育員の醍醐味であると思います!

今回は「ダンゴウオの繁殖」について、紹介していきます。
春のダンゴウオ繁殖シーズンに向け、12月頃から準備を始めてきました。

しかし、ダンゴウオの繁殖に関わる情報はとっても少なく、
ダンゴウオに近い種類の情報集めることからスタートしました。
ほぼ手探り状態で進んでいくと、そこにはたくさんの壁がありました。

【第一の壁】雌雄判別ができない!

繁殖の準備にあたり、まず初めに雌雄の判別が必要ですが、
そこで早速壁にぶつかってしまったのです。

繁殖のシーズンに入るとオスは背びれが王冠のように大きくなりますが、
当館のダンゴウオたちに全くそんな姿は見られず、
オスとメスの区別がつかなかったのです。

直接的な原因はわかりませんでしたが、
どうやら水温の変化がキーワードでした。
飼育下では水温が設定した温度でほぼ一定に保たれますが、
自然下だと常に水温が変化します。

この水温の違いに着目し、
水槽の設定温度を徐々に下げていくと、
なんとオスの背びれが王冠のように大きくなり、
メスのお腹も卵でパンパンになりました。

背びれが王冠のように大きくなったオス

1カ月ほど時間がかかってしまいましたが、
何とか第一関門はクリアできました。

「これでやっと先に進むことができた!!」と、
一安心していると、繁殖シーズン真っ盛りに、
またまた壁にぶつかってしまったのです。

【第二の壁】卵が孵らない!

ダンゴウオは、オスが入っている巣穴にメスがやってきて、
卵を産み、オスが卵を育てます。

しかし、当館のダンゴウオたち、
オスとメスが同じ巣穴に入っているのになかなか卵を産まない、
産んでも受精しないのです。

ダンゴウオの卵
巣穴に入るダンゴウオ

これまでバックヤードで繁殖を試みていましたが、
あまりうまくいきませんでした。
そこで、環境を変えてみることにしました。

展示水槽に移すと、今度は成功!!
そして、無事にダンゴウオの赤ちゃんが孵化しました!
赤ちゃんは約5㎜。
かなり小さいので、写真にはまだうまく映りません…

成長した赤ちゃんたちの可愛らしい姿をお見せできるよう、
これからも頑張ります。

展示替え後のダンゴウオ水槽

最後に、展示されているダンゴウオの水槽がパワーアップしたのは
ご存じでしたか?

前までは小さいダンゴウオを展示していましたが、
みなさまにもっと可愛い姿を見ていただけるよう、
大きい個体に変えて、見やすくしてみました。

展示替えを終え、お客さまからは、SNSなどで「可愛い!」という
お声をたくさんいただきました。

しかし、現状に満足はしていません。
もっともっとパワーアップさせて、
ダンゴウオの魅力をお伝えしてまいりますので、
どうか温かく見守っていただければと思います!

以上、ダンゴウオにぞっこんなNでした!


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